相続遺言判決実例集…(名古屋高金沢支決・昭和61年11月4日家月39巻4号27頁)


  • (名古屋高金沢支決・昭和61年11月4日家月39巻4号27頁)
 

(名古屋高金沢支決・昭和61年11月4日家月39巻4号27頁)


 (名古屋高金沢支決・昭和61年11月4日家月39巻4号27頁)

「本件は,廃除の請求をした被相続人が同事件係属中に死亡した場合に当ることが明らかであるところ,廃除は,被廃除者の相続人資格を失わしめ,また他の相続人の法定相続分に影響を与えるものであるから,廃除請求が一旦なされた後の手続進行は被相続人の生存を要件とするものとは解し難く,従って,手続進行中に申立人である被相続人が死亡した場合は,家事審判規則15条の規定により,『申立の資格のある者」が同手続を受継することができると解される。そして,家庭裁判所が民法895条による仮の処分として遺産管理人を選任した場合は,同管理人をして右廃除請求事件を受継させるべきであるが,被相続人が生前に廃除の請求をしたうえ,更に遺言で同一事由により廃除の意思を表示し,遺言執行者を指定して遺産の管理・処分を委ねた場合は,改めて遺産管理人を選任する必要はなく,同遺言執行者が遺産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権限ある者として,同手続を受継することができると解するのが相当である。この場合廃除請求事件自体が被相続人の生前において申立てられたものであることを理由に,民法895条による遺産管理人の選任を要するとしてみても,遺言執行者も遺産を管理する権限が与えられているから,権限が重複することになって相当でなく,従ってかかる場合は,遺言による廃除請求事件ではないが,遺言執行者以外に手続を承継すべき者は考えられず、その者をもって「申立の資格のある者』と解するよりほかなきものというべきである。」

 


 

 


 

 
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